2009年 05月 09日
連休本 平野啓一郎 |
決壊
『日蝕』で在学中に作家デビューし、1999年芥川賞。
古文体で小難しく書かれた作品は若くして老獪な趣。
それは作品上の戦略だったに違いなく、10年後のこの
『決壊』は比べて平明。されど心理描写は深く繊細。 ★★★★
無差別殺傷事件を扱っているが故に、秋葉原事件の
予見書といわれてしまったこの本は、ミステリーの定型
から逸脱して、形而上学にまで到達している・・のでは
ないかと思う。
思う、というのは上下巻のまだ1/4程度のところ(事件
はこれから発生する)を読んでいるから。すでに存分に
惹きつけられて、描写の濃さに圧倒されている。
かなり前に図書館に予約していた本。上下同時にネット
で予約すると待機者数百人。ようやく順番が近づいた
ことを検索チェックすると、下巻の方が早くなっている。
・・・
「下巻からは読まないので、調整していただけますか?」
司書にお願いすると、「はい、わかりました。」
上下同時に借りられるように計らってくれました。
・・・
(ということは、下巻を読む人が少ないってこと?)
(ということは・・・)
それは読んでみないとわからない。
・・・追記・・・
最後の最後まで、気を抜かずに一気に読んでしまいました。
読み応えも充分。心理描写も巧みで納得できるストーリー。
このような本を書く人でもあったかと、改めて感服しきり。
自然素材の家で気持ちよい暮らし
横浜 川崎 住宅設計 木造 他
『日蝕』で在学中に作家デビューし、1999年芥川賞。
古文体で小難しく書かれた作品は若くして老獪な趣。
それは作品上の戦略だったに違いなく、10年後のこの
『決壊』は比べて平明。されど心理描写は深く繊細。 ★★★★
無差別殺傷事件を扱っているが故に、秋葉原事件の
予見書といわれてしまったこの本は、ミステリーの定型
から逸脱して、形而上学にまで到達している・・のでは
ないかと思う。
思う、というのは上下巻のまだ1/4程度のところ(事件
はこれから発生する)を読んでいるから。すでに存分に
惹きつけられて、描写の濃さに圧倒されている。
かなり前に図書館に予約していた本。上下同時にネット
で予約すると待機者数百人。ようやく順番が近づいた
ことを検索チェックすると、下巻の方が早くなっている。
・・・
「下巻からは読まないので、調整していただけますか?」
司書にお願いすると、「はい、わかりました。」
上下同時に借りられるように計らってくれました。
・・・
(ということは、下巻を読む人が少ないってこと?)
(ということは・・・)
それは読んでみないとわからない。
・・・追記・・・
最後の最後まで、気を抜かずに一気に読んでしまいました。
読み応えも充分。心理描写も巧みで納得できるストーリー。
このような本を書く人でもあったかと、改めて感服しきり。
自然素材の家で気持ちよい暮らし
横浜 川崎 住宅設計 木造 他
by arcdesign
| 2009-05-09 01:28
| 本
|
Comments(4)
Commented
by
はるアキバ
at 2009-05-10 10:49
x
>>秋葉原事件の
あの時は、たまたま秋葉原に行っていた。
昼に着いて、駅中で昼食して
外に出たら、何か騒がしい。
いつも人だかりがあったので
交通事故ていどと思った。
気づかずそのまま買い物へ。
帰り、人が捕まった現場にもブルーシートが
被せてあった。
知らぬが放っとけ。
仏は彫っとけ。
ほんとの仏は掘っとけ。
あの時は、たまたま秋葉原に行っていた。
昼に着いて、駅中で昼食して
外に出たら、何か騒がしい。
いつも人だかりがあったので
交通事故ていどと思った。
気づかずそのまま買い物へ。
帰り、人が捕まった現場にもブルーシートが
被せてあった。
知らぬが放っとけ。
仏は彫っとけ。
ほんとの仏は掘っとけ。
0
>>殺人者は電子の闇に沈む
IT犯罪もの?
これも、時間が空いたら読む本に登録。
しかし、”汚れる”本はイマイチ?
最近は、新聞でも女性読者のために
汚れないインクにしたりしている。
>>この小説は、読者も自分の手を汚しながら読むべきだ、という
考えから、敢えてそうしたとのことなのですが、
実際に本を読んでいて、興味深い発見がありました。
よく「手に汗握る」と言いますが、『決壊』を読んでいると、
ページが汚れやすい場面と汚れにくい場面とがあることに
気がつきます。つまり、読み手の緊張感が高まって、
手に汗がにじんでくると、小口を押さえている親指にインクが
ついて、ページの端が汚れてしまう。非常にアナログな原理
なのですが、これは、読者が本を読み進めていく時の自律神経
の動きを、1ページごとに記録してゆく装置になっているわけです。
IT犯罪もの?
これも、時間が空いたら読む本に登録。
しかし、”汚れる”本はイマイチ?
最近は、新聞でも女性読者のために
汚れないインクにしたりしている。
>>この小説は、読者も自分の手を汚しながら読むべきだ、という
考えから、敢えてそうしたとのことなのですが、
実際に本を読んでいて、興味深い発見がありました。
よく「手に汗握る」と言いますが、『決壊』を読んでいると、
ページが汚れやすい場面と汚れにくい場面とがあることに
気がつきます。つまり、読み手の緊張感が高まって、
手に汗がにじんでくると、小口を押さえている親指にインクが
ついて、ページの端が汚れてしまう。非常にアナログな原理
なのですが、これは、読者が本を読み進めていく時の自律神経
の動きを、1ページごとに記録してゆく装置になっているわけです。
装幀がタイポグラフィのデザインで、本の小口部分は黒く塗られている。
このことに関しての説明が興味深い。あリンコ
このことに関しての説明が興味深い。あリンコ
Commented
by
はるキンドル
at 2009-06-02 22:12
x
そういえば、
あのアマゾン・ドットコムから
電子ブックリーダーが出ている。
名前は「キンドル」。
社長が禿げているがコンドルではない。
2月に「キンドル2」が出て
今年の夏には「キンドルDX」が出る。
電子新聞になるべく打って出たが
まだ先は長い。
日本では「ニンテンドーDS」の電子書籍ソフトが売上げ好調。
上陸はいつか?
狙うは第2の iPOD。
音楽だけでなく
書籍、新聞、雑誌をダウンロードする。
”デラックス金$” に大化けするか?
あのアマゾン・ドットコムから
電子ブックリーダーが出ている。
名前は「キンドル」。
社長が禿げているがコンドルではない。
2月に「キンドル2」が出て
今年の夏には「キンドルDX」が出る。
電子新聞になるべく打って出たが
まだ先は長い。
日本では「ニンテンドーDS」の電子書籍ソフトが売上げ好調。
上陸はいつか?
狙うは第2の iPOD。
音楽だけでなく
書籍、新聞、雑誌をダウンロードする。
”デラックス金$” に大化けするか?